からだの体験記

                  男性諸君!

 先日、前立腺の摘出手術を行いました。 男性にしかないこの器官の肥大によるトラブルには大半の人が悩まされているようですが、私も50歳台から頻尿や排尿不調に悩まされておりました。 多くの悩める男性に向けて、前立腺肥大対策の切り札「摘出手術」はどんなものだったか、体験を紹介します。

 

 前立腺は何のためにあるのかよく分かっていない面もあるようですが、精液の一部を作るとか生殖にかかわるいくつかの機能を持っているようです。 その前立腺は下図の位置についており、その内腺が大きくなって尿道を圧迫し尿が出にくくなるのが前立腺肥大症です。

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 多くのひとはだんだんと大きくなるようですが、なぜ大きくなる必要が有るかもよく分かっていないようです。

 前立腺の肥大がいよいよ大きくなると全く尿が出なくなる場合が有ります。 放っておくと膀胱がパンクし生死にかかわるので、尿道に膀胱まで管を入れて尿を排出する必要があります。 

 私も、今まで尿が出にくく排尿に時間がかかり、頻尿で夜は2~3回トイレに行っていました。 ノコギリヤシやカボチャ、イチョウなどいろいろなサプリや足つぼの指圧、開脚運動と頻尿に効果が有ると言われるあらゆる方法を試してみました。 効果はゼロではないと思いますが治癒することは無く、しかし完全に出ないわけではないのでそれなりに20年くらい生活していました。 

 しかし先日、朝から頻繁に尿意を催しそのうち尿意はあるのに尿が殆どでなくなってしまいました。 2時間くらい頻繁にトイレに行っていましたが行ってもほんのわずかしか出ず、どんどん尿意が強くなってきます。 たまらず泌尿器科の開業医に駆け込み尿を抜いてもらいたいと頼みました。 医師に導尿管を入れてもらうと700mlくらい出たそうです。 

 とりあえず排尿筋の緊張をとる薬を服用し半日様子を見て、経過が良くなければ対策は前立腺の内腺を摘出する手術しかないと言われました。 手術日までは導尿管を入れたままで過ごすことになります。 

 薬を服用し夕方まで様子を見ましたが、相変わらずトイレで頑張ってもほんのわずかしか出ません。 その日の夕方に泌尿器科で導尿管を入れてもらいました。 導尿管には先端に開閉できるバルブが付いているので、尿意を催したらトイレでバルブを開ければ排尿出来るのです。 

 夜間就寝中は一晩にどれだけの尿が出るか計測してほしいということで、その管に採尿袋を取り付けました。 この袋を取り付けておけば朝まで排尿に起きていく必要はないわけです。 一晩で600ml~1000ml溜まりました。 しかし、この管を入れておくと尿管や膀胱に小さな傷がつくことが有るので、血尿がでたり血栓が尿に混じったりします。

 前立腺の手術は大病院しか設備がないため、私は厚生連高岡病院を紹介してもらいました。 しかし、手術は順番待ちで2週間くらい後になりました。 その間に手術で障害が発生しないかどうか、いろいろ検査がありました。

 前立腺の摘出はいろいろな術式が有るようです。 昔は開腹手術だったようですが、いまでは余程大きな肥大でない限り、尿道からの摘出だそうです。

 現在多く行われているのは下記のTURPという術式だそうです。    

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 新しい方法として、下記のHoLEPという術式の普及が進んでいるようです。      

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 この他にもレーザーで前立腺内腺を蒸散させる方法など新しい方法も開発されているようです。

 厚生連高岡病院ではHoLEPの設備があり、私もこの術式で摘出することとなりました。 この方法はTURPに比べて入院期間が短く、出血が少ない利点が有るそうです。 私は水曜日に入院し日曜日に退院する4泊5日の日程でした。 

 但し、退院できても切り取った部分からの出血はあるため、血尿が出ます。 血尿が止まるには1か月程度、傷が完全に治るには4か月程度かかるそうです。 

後遺症はあまりないのですが、唯一「逆行性射精(射精時、精液が膀胱側に流れてしまうため射精できない症状)」となり妊娠させることが出来なくなるのでこれから子供をつくろうと思っている若い人にとっては問題ですが、子作りが終わった人には問題とならない後遺症です。 

 私は手術での感染症や合併症も無く、予定通りに退院でき翌日から通常通り仕事をし、菜園の世話も行っております。 昨年5月には当ブログで「ブログ再開」と題して書いたように「頚椎症」の手術をしたのですが、この時は20日近く入院し手術後の痛みが激しくて苦しみました。 

 今回は入院期間も短く手術後の痛みも少ない上、すぐに動き回れたので仕事にも支障は殆どありませんでした。 私の手術を担当した医師はこの手術を既に1000件以上こなしているようで、設備も医師の技量も良かったと思います。 

 これから手術が必要になる男性も多いと思いますが、安心して手術に臨んでください。