ふるさと納税事件

ふるさと納税不良返礼品問題

 

 ふるさと納税という制度が普及してきたので私も3年前から利用するようになった。 全国各地の特産品が返礼品として贈られて来るので、もちろんそれが目当てで有る。

 特産品といわれるだけあって、送られて来る返礼品は何れもなかなかの品質で、食べ物は見栄えも味も一級品が殆どである。

 私は納税サイトに「さとふる」を使っています。 

 さとふるサイトで昨年末に山梨市に12,000円の寄付をしました。 目当ては「レッドキウイ」です。 スーパーでは冬でもキウイを販売していますからすぐに送ってくるかと思いきや、今年の10月に届きました。 

 箱を開けたら先ず驚きました。 これまで何度か別の自治体のキウイを返礼品としてもらったり、スーパーで買ってきたりしていましたが、それらに比べて明らかに小粒なのです。

 

 普通特産品と言われるものはスーパーで安価に販売している物より見栄えが良いものが多いと思いますが、本品は先ず見かけが貧弱です。 「これで特産品?」と思いましたが、「レッドキウイ」という特殊なキウイなので小さくてもすごく美味しいのかもしれないと思いなおしました。 着いたときはやや硬かったので、1週間ほど熟させて食べようと切ってみてまた驚きです。

 

            

 レッドキウイというからには、実は赤みを帯びていると期待して切ってみましたが、上の写真のように全く赤みは有りません。 ちなみにレッドキウイを検索して調べたら、下の写真のようなものがレッドキウイだそうです

 

                            

 見ただけでも山梨市の返礼品は「これってレッドキウイじゃないよね」と言いたくなると思いませんか。 

 それでも何とか食べられないかと思い、再び1週間ほど熟させてスプーンで実をすくってみました。

                  

 実の中心にある白い芯の部分が硬くて、スプーンで取り出すのも一苦労です。 写真で見える取り出した芯の部分は硬くてほぼ食べられません。 皮の部分に付いている僅かな軟らかい部分だけが普通に食べられる部分です。 食べてみるとこの部分は普通のキウイの味でした。

 返礼品のキウイはほぼ食べるところが無いので、スーパーから買ってきました。 両者の大きさ比較が下記写真です。

 

         

 特産品と銘打ったものがスーパーで普通に売られているものと比べてこんなに見劣りするのです。 こんな品質の物を商品としてお金をとる業者がいることが信じられないとおもった私は先ず山梨市の担当課に電話しました。 担当課では、「返礼品に関することは品質管理を含めて“さとふる”に任せてあるので、そちらに問い合わせてください」となんか他人事のようでした。 それではとさとふるに電話したところ、担当者から折り返しの電話をもらいEメールで写真を送ることとなりました。 

 さとふるの担当者も写真を見て「これはレッドキウイではない」と思ったのでしょう、代品を送ると言ってきました。 それもレッドキウイは1.5kgでしたが、3.5kg送りますとの話でした。 ただ、今はもうレッドキウイは無くなってしまったので、品種が違うものになり、時期も12月~1月になります、また手元にあるレッドキウイなるものはそちらで廃棄してください、とのことでした。 果たしてどんなものを送ってくるのでしょうか。

 それにしてもふるさと納税返礼品“の調達や品質管理までサイト運営業者に丸投げとは如何なものでしょうか。 これでは地場産品と謳いながら、実際は業者が中国産の安いものを発送してもクレームが来なければ気が付くことは無いのではないでしょうか。 自治体として地場産品の品質をチェックし、品質向上を図ることにより自治体のフアンを増やして税収増を図るという発想はないのでしょうか。 全国自治体の奮起を期待したいと思います。

家庭菜園奮闘記 その77

やっと秋になりましたね

 

 異例ずくめの長い暑い夏が終わって、ようやく秋になりましたね。 6月から猛暑で雨も長期に降らず、菜園の野菜瀕死の状況でした。 8月初めにようやくまとまった雨が降り、何とか生き延びた野菜は、大分復活してきました。 現在の菜園状況をお知らせします。

 

 いちご苗の定植をしました。

         

 いちご苗は8月に親株から伸びたランナーの子株のうち元気そうなものを仮植えし、10月末~11月初旬に定植するのが良いとされていましたが、近年は8月が暑くて雨も降らずとても移植できるような環境になりません。 それどころか厚さと水不足で子株がどんどん枯れていくので、今年は下の写真のように日除けを施しました。

           

 猛暑がいつまでも続いて仮植えするチャンスがないので、2年前からは10月中旬から仮植え無しで定植しています。 昨年は暑さで苗が大半枯れ、育ちの悪い小さな苗まで使ってようやく所定の数量を確保しましたが、今年は日除けをしたおかげで苗の枯死は少なく、苗の確保に苦労はなくなりました。 今年は元気で大きい苗が出来たので、来年春の収穫が楽しみです。

 

 ラッキョウ無臭ニンニクの球根を植え付けました。

 ラッキョウ、無州ニンニクも植え付け時期です。 球根から芽をだし始めました。

 

白菜大根は収穫間近です。

  

 秋、冬野菜の定番、白菜、大根がおおきくなってきました。 苗が小さいうちは青虫対策防虫網をかけています。 気温が下ってくると虫も少なくなるので、防虫網はもうすぐ撤去します。

 大根も白菜も時期ずらし栽培をしているので、もうすぐ収穫できるものもあればまだ小さいものもあります。

   

 まだ小さいものは冬越しして2月~3月に収穫できるようになります。 白菜は結球するものと結球に至らないものがありますが、結球しなかったものは菜の花収穫用にしています。

 

 里芋の収穫も間近です。

 

 夏の暑さ水不足で瀕死の状態になった里芋も、その後の雨でかなり復活してきました。 もうすぐ収穫となりますが、芋の大きさはどんなものでしょうか。

 

 アスパラの収穫はほぼ修了です。

         

 3月末から収穫が始まったアスパラは、半年以上収穫できました。 例年は9月いっぱいで終了となるのですが、今年は夏の雨無し時期を除いて10月中旬まで沢山収穫できました。

 

 オクラの収穫修了が近づいています

         

 オクラも他の作物同様、夏の暑さ水不足で一時は瀕死の状況でした。 その後の雨で復活し再び伸びだし、実を付けるようになりました。 あと半月ほどで収穫は終了です。

 

ネギを迎えています

          

 写真の坊主不知ねぎは、ネギ坊主が出来ないので1年中食することが出来ますが、なんといっても秋から冬にかけての時期が最もおいしくなります。 8月の暑い時期に株分けして植え付けた苗が食べごろの大きさに育ってきました。 ネギは乾燥に強いので暑い夏にも移植できるのです。

 

 きゅうりはまだ収穫しています。

          

 きゅうりも何回かに分けて種まきし、今は秋きゅうりを収穫しています。 気温が急低下しなければもうしばらく収穫できそうです。

 

 イチジクはもうすぐ収穫修了です

         

 「家庭菜園奮闘記 その67」で紹介した様に菜園周囲にイチジクも育てています。 イチジクの木は毎年大きくなっており、6本もあるので今ではかなりな量が実ります。 8月~9月の最盛期には収穫しようと思えば毎日100個くらい収穫できます。 かなりな量は鳥が食べたり腐ったりしますので、人間が収穫するのは半分程度です。 隣近所や知人、来客等にプレゼントして大変喜んでもらっています。 このイチジクももうすぐ収穫修了です。

 

 イチジクの木の横にはかりんの木もあります。 

         

 この木も大きくなりすぎないように剪定しています。毎年実を付けますが、実は食べても美味しくないので収穫したことは無く、毎年落ちて腐ってしまいます。 調べたらかりんジャムかりん酒など、加工して食するようです。 のどに良いといわれ、のど飴にも使われるそうです。 

 もったいないので一度かりん酒づくりに挑戦したいと考えて居ます。 沢山なるので取りに来てくれる希望者には無償提供いたします。

 

 この他にもカブ春菊、ラディッシュなどが育っています。 収穫しながら施肥や防寒囲いなどの冬準備を進めていきます。

 

 

「すごい人」になりませんか

普通だけどすごい人

 

 あなたは「すごい人」になりたいと思いませんか。 

 先日facebookを見ていたら、「普通だけどすごい人」という記事が出てきました。 世の中には常人にはとてもできないことを成し遂げる大谷翔平のようなスーパースターやナポレオンのような歴史上の人物がいます。 これらの人の成すことを我々が成そうと思って努力しても、とてもできそうにありませんが、我々の回りを見回せば「普通だけどすごい人」は結構見つかりそうな気がします。 すごくても普通であるなら、我々も少し努力すればなれるかも知れません。

 このフレーズに関心を持った私は早速「普通だけどすごい人」で検索し、どんな人が普通だけどすごいのか調べてみました。 いくつかのサイトで普通だけどすごい人はこんな人だというのが見つかりましたが、多くに共通する項目は下記のようなものでした。

  • 休みの日も早起きする人

 誰しも仕事がある日は仕事に間に合うように起床するものですが、休みの日は早起きしない人が殆どでしょう。 休みの日も早起き出来る人は自分を律することが出来る人なのでしょう。

  • 給料をもらったらすぐに貯金する人

 給料をもらったらサラ金の借金を返す人は結構いますが、直ぐに貯金をする人は多くはないでしょう。 計画的に貯金できる人は将来成功する人でしょう。

  • 毎日日記を書いて記録する人

 どんなことでも、毎日続けられる人はすごい人なのでしょう。

  • 食事のあとすぐに皿洗いする人(旅行から帰ったらすぐ荷解きする人)

 やるべきことを後回しにしないですぐに片づける人は、仕事でも尊敬される人なのでしょう。

 

 これらの項目を見てみると、特段に抜きんでた才能がある人でなくても、努力すれば出来そうなものばかりです。 しかし、これらをすべて実行している人は世の中にそれほど多くはいないでしょう。 これらをすべて実行しているということは、その人は自己管理能力が高く真面目勤勉なのでしょう。 世の中へ出て他人からの信頼尊敬を受け、成功する人の典型と言えるでしょう。 日々の生活の中でこれら全部とはいかなくても、これらに近づくことが出来れば、成功して豊かで幸福な老後をおくれるかもしれません。

開発人生記 その20

地下室のお話(2話目)

 

 過去のブログ「開発人生記 その18」で「地下室のお話」と題して、自宅で地下室を作り地下室環境の観察を続けていることを紹介いたしました。 このとき、日本の夏は湿度が高いので地下室は夏には湿度がほぼ100%となり、カビ対策に悩まされていることを報告しました。 

 近年は地球温暖化で夏が長くなり、猛暑日が格段に多くなった結果地下室のカビ発生が激しくなり、以前は6月から発生していたのが5月になり、床や巾木付近だけだったものが天井まで発生するようになってしまいました。

 対策をしなければと考えた私は、いろいろな方法を検討しました。 一番ポピュラーなのはエアコンをつけて湿度と温度の両方を下げることです。 これにはいくつか問題点が有ります。 一つは室内機結露水の排出です。 地下室には排水管が有りませんので別途にドレンポンプを設置する必要が有ります。 また、電気代が結構かかります。 エアコンの除湿運転は通常の冷暖房よりも電気をよけい使うのです。 

 そもそも地下室は恒温性が高くエアコン不要というのが大きなメリットの一つです。 地下室にエアコンを付けてガンガン電気を使うのなら、高額な地下室築造はメリットが無いことになります。

 次の方法として、家には井戸が有るので井戸水で冷やした空気を送り込む方法を考えました。 井戸水で冷やしたラジエーターの回りに空気を通して冷やせば当然湿度も温度も下がります。 これなら250Wの井戸ポンプと150W程度の送風機で済みますから、電気代も抑えられそうです。 しかし、この場合は設備を床下などの地上部に置いて、そこから地下室に除湿・冷却した空気を送り込む(又は循環させる)ダクトホースを配置する必要が有ります。 いろいろ図面を検討したり床下をめくって寸法を測定したりしましたが、ダクトホースを通すスペースをとるには廊下や部屋の一部の床を撤去する必要が有り、とても現実的ではないことが分かり断念しました。

 そうこうしているうちに、「カライエ」というデシカント除湿機ダイキン工業が販売していることを知りました。 カライエは湿気を水として排出するのではなく高湿度の空気として排出する為、地下室に設置しても排水ポンプが不要になりそうです。 説明書では排気ホースは結露対策の為、下り勾配で配置するように書いてありましたが、地下室からの排気は下り勾配だけでは配置できません。 しかし結露は高温の空気が低温側に触れた時に発生します。 私の地下室は除湿が必要な夏場は通常外気より室内温度が低いため、排気ホース内で結露が発生する心配は無さそうです。 排気ホースは内径が40mm程度のフレキシブル管で、これ1本を外に出すだけで配管完了ですから、地下室からの配管も簡単です。

 NETで価格調査すると、6万円台で購入できそうです。 そこで、地下室から外へ排気管を通す方法を検討しました。 地下室天井に穴をあけ、更にその穴の真上と思われる玄関横の物置内の床に穴をあけました。 ホースはフレキシブル管ですから多少穴の位置にずれが有っても通ります。 更に物置の基礎コンクリートに横穴をあけてそこにカライエの排気ホースを通すこととしました。 ホース内に虫が侵入しないような吐出口を付けて完成です。

   

 

 5月に取り付け完了し、作動させてみました。 部屋内の温度・湿度は置いてあるデジタル時計で測定しています。 近頃の時計は温度・湿度も表示される上に大変お安くなりました。

        

 

 カライエを動かしてみると、ファンのが結構大きく感じます。 1日動かすと60%を超えていた湿度は60%以下となり、室温は2℃ほど上昇しました。 その後観察していると昼間に気温が上昇すると湿度は上昇し60%を超えますが夜間に気温が低下すると60%を下回るので夜間は電源を切るようにしていました。

 ところが6月になると今年は一気に真夏となり、夜間も気温が大きく低下しないので湿度の低下も悪くなり、1日中つけっぱなしにしないと湿度を60%付近で維持できなくなったのです。 更に7月になると毎日猛暑日が続き、連続自動運転にしても時として湿度63%~65%に上昇することが起こり始めました。 室温もどんどん上昇を続け、8月末には30℃程度まであがりました。

      

 

 この除湿器には自動運転の他にもっと強力に除湿するパワフル自動ターボといった運転メニューもあります。 いちどパワフル自動を使ってみましたが、室温がますます高くなったので使用をやめました。

           


  

 湿度は8月後半がピークで、室温は9月初めがピークとなりました。 カライエ無しの場合、湿度は100%近かったのですから、劇的な低下です。 室温はカライエなしの場合はMAX27℃程度でしたので、2℃~3℃上昇したことになります。

 最高湿度は65%程度になりましたが半日程度で60%付近まで下がるので、カビの発生は殆ど無く、カビ除去作業からは完全に開放されました。 しかし以前のブログで紹介したように、私は地下室で柔軟体操筋トレをしているのですが、室温は30℃近辺が1ヵ月以上続くのでさすがに暑く、扇風機を使っています。 室温は上がりましたが湿度が下がったので、扇風機を使えばなんとか今まで通りの運動メニューをこなすことが出来ています。

 使ってみた結果、湿度低下効果は劇的なものがありますが室温上昇が欠点です。 高効率なペルチェ素子を開発して発熱面エネルギーをデシカントエレメントの加熱に使い、冷却面室内還流空気の冷却を行って室温上昇を防ぐなどの技術開発で、湿度は低下するが室温は上昇しないような、もっと完成度の高い除湿機の出現を期待しております。

政治をどうする

参議院選挙によせて

 

 参議院選挙運動真っ最中の日本であるが、どの政党も「消費税廃止」や「一時金支給」など、日本の将来像を考えることもなく「票集め」のみを目的としたポピュリスト政策を声高く叫んでいる。 私は当ブログで6年前にも日本の「政治家の劣化」を嘆いて下記のような記事を書いている。 しかし6年経った今なお「長期的・持続的」目線で国民に日本の将来像を語り掛ける政治家は現れず、次の選挙の票だけが目的の主張をする輩ばかりである。

 

 私が6年前に当ブログで「政治家は日本の未来を語れ」と題して書いた記事の冒頭部分を紹介する。(緑字部分)

政治家は、日本の未来を語れ

 

 今、「消費税率引き上げ」や「道路特定財源暫定税率延長」問題等で、議論がされているが、議論の方向が、今、選挙を行ったら、どちらの主張がより票に結びつくかというレベルでなされているため、真に、国民の心を掴んではいないし、国民の為になる議論にも成っていないと思う。 政治家は、信念をもって国民に、10年後、20年後、はたまた50年後100年後の日本の未来像を示し、国民が夢を描いて目指せるような提案や呼びかけをし、議論していただきたいと思う。

 

 国民は、今、国がどの方向に向かって進んでいるかが判っているとき、自分の方向を決めることが出来、希望と安心感を持つ事が出来る。逆で有れば、不安と猜疑心が芽生え、愛国心も育たない。

 

 私が、十数年前、緑の協力隊というボランティア植林活動で、初めて中国へ行ったときガイドの説明の中に、「中国国民は、中国四千年の歴史の中で、今、最も幸せだと思っている。その理由の一番目は、働けば充分に飯が食えるように成ったこと。二番目は、努力と才能次第で、自分の未来を自分で切り開けるように成ったこと。」という一節が有った。 同じ言葉が、先般、ある雑誌の中でのインド人の発言に登場した。インドは今、中国より十数年遅れて、勢い良く経済発展が始まり、自由化や労働環境の流動化が始まっているのであろう。

 

 経済発展が重要だと言っているのではありません。国民にモチベーションを与え、治安を安定させ、幸福感をもって生活させるには、二つの必要条件があると言っているのです。 一つは、充分な食料を確保出来ること。二つ目は、十年後、二十年後の国の姿を示し、その中で、努力すれば豊かになれるシステムに成っていること。 この二つがあれば、多くの国民は、未来に希望を持ち、幸福感を感じる事が出来るのです。

 

 今、日本の政治家は、国民に日本の未来像を語りかけているでしょうか。 かつて、高度成長期の初め、首相池田勇人所得倍増計画を打ち出し、「十年後の日本経済を見て下さい、二十年後の日本経済を見て下さい。池田は決して嘘は申しません。」と語りかけました。国民はこの言葉で日本の未来を信じ、モチベーションを高め、経済大国への道を作り続けたのです。

 

 我々は死ぬまで日本に住み続けなければなりません。 子孫は更に将来に亘って日本にいるのです。 日本がだんだん住み辛い国になるのではなく、どんどん住みやすい国になってほしいのです。 今、各政党が票欲しさに掲げている一時的な政策では、日本がどんどん住みやすい国に変わっていくとは到底思えません。 減税にしても給付にしても持続的な財源もなく、一時的な人気取りそのものです。 

 そもそも税というのは会社や個人のお金があるところから集めて、多くの人が役立つところに使うものです。 減税すればインフラ整備や困窮者援助等に支障をきたしますし、公共投資が減れば、社会活力も低下します。 ましてや消費税は消費の多い金持ちが多く払っているので、消費税減税は金持ち優遇につながることとなります。

 消費税は過去に信念を持った政権が、日本の福祉や生活の持続的な向上のために、政権生命をかけてようやく実現したものです。 実際消費税課税開始時や後の増税時には時の政権は選挙で大敗し、退陣に追い込まれています。 安易に廃止や減税をしていいわけが有りません。 

 本来持続的に国をよくするには、産業の発展を図るのが基本です。 過去日本は産業の発展で成長し、バブル期前は世界を席巻したこともありますが、バブル崩壊後の失われた30年で日本の産業力は韓国や中国にも後れを取ることとなってしまいました。 原因はいろいろ言われますが、長期的視点に立った政策を唱える政治家の不在が私は最大原因だと思います。 

 産業振興の基本は常に付加価値の高い新規産業を創り出す人材を輩出することです。 人材を創り出すのは主として教育の役目です。 明治以来の均質的な人材を創り出すようにプログラムされた教育システムを変えられない日本は、産業を変える人材の輩出も出来なくなったのです。 日本の教育を「個人の能力を最大化する」方向へ大きく変革する政治決断が求められます。 そのスタートは各学校による教育カリキュラムの自由化でしょう。 学校ごとに個人の得意分野を最大化する特色のある教育課程や飛び級を含めた教育時間の自由があれば、社会を変革する力を持った人材を多数輩出することが可能となるでしょう。

 悲しいことに今の日本には、このような長期にわたる政策を提案する政治家は皆無です。 有権者は僅かな給付金に惑わされず、10年後20年後の日本を語る政治家を輩出する機運を、選挙を機会として盛り上げてほしいと思います。

家庭菜園奮闘記 その76

家庭菜園での効率的な栽培方法 ―― ネギの栽培

 

 数ある葉物野菜の中でもネギは最もよく利用される野菜の一つでしょう。 ネギの仲間としてニンニクニラタマネギなどいろいろありますが、今回はネギのみを取り上げ、仲間はいずれ別の機会に紹介いたします。

 ネギは消費量が大きいので、各地にその地域特産の品種も沢山ありますが、家庭菜園では一般的な「長ネギ」や「根深ネギ」とよばれる種が栽培されます。 ホームセンターでも秋に種を蒔いた苗が4月頃に販売されています。 これを買ってきて植えればその年の秋から冬にかけて収穫できます。

 私は毎年苗を買ってきて植えるのは不経済で有ることと、普通の長ネギは春夏に収穫できないことからあまり一般的でない3種類のネギを栽培しています。

 

  • 坊主不知ネギネギ坊主が出来ないネギ) 


 名前の通りネギ坊主ができないタイプのネギです。 普通のネギは5月~7月頃は繁殖のために種をつくるネギ坊主(花茎)が発生します。 ネギ坊主の茎は硬くてとても食べられませんのでこの時期の長ネギは食用になりません。 ネギが食べられない期間が有るのは困るので、いつでも食用になるこのネギを主力に栽培しているのです。 このネギはネギ坊主が出来ないことから、種をとれません。 従って増やすのは「分櫱(ぶんけつ)」によります。 

 右写真のように、この時期大きくなったネギは1本が3~4本に分かれます。 そのままにしておくとどんどん本数が増えて1年で10本くらいにはなります。 7月~8月にこれを1本ずつ株分けして植え替えれば苗を買わなくてもいいことになります。

 

  • 一本ネギ(分けつしないネギ) 


 長ネギの一種ですが分櫱(ぶんけつ)しないタイプのネギで、上の写真のようにネギ坊主が出来るので、種を蒔いて増やします。 1本で育つため、分けつするタイプより太くなり、形が良いのです。 今の時期は写真のようにネギ坊主が出来ているため、硬くて食用にはなりません。

 

  • 櫓ネギ(やぐらねぎ)


 ネギ坊主の種ができるかわりに、種ではなくねぎそのものがネギ坊主部分に生えて来るネギで、この生えてきたネギを植えればネギになります。 種まき要らずで増やせます。 このネギ坊主もどきみたいなものが出来ている間は、硬くて食べられません。 このネギは比較的小さく、①の坊主不知ネギと比べても次の写真のように大きさには差が有ります。 小さいので刻んで使うように小ネギのような使い方をしています。

         

 

 私が栽培している3種類のネギを紹介しましたが、家庭菜園で1種類のみ栽培される方は「坊主不知ネギ」がお勧めです。 これであればほぼ年中収穫できますし、分けつするので苗は買わなくても7~8月に掘り上げて株分けして植え替えるだけで必要数量を確保できます。

 ネギ類は薬味に使用されるように独特のにおいが有り、無農薬で栽培しても害虫の食害に悩まされることは殆どない、作りやすい作物です。 酸性土壌を嫌うので植え付け時は石灰による土づくりは必須のようです。 肥料が不足すると太くなりませんので、そこそこ施肥にも留意が必要です。

 ただ、長ネギは白い部分を長くする方が利用しやすいため、何度も土寄せをする必要が有ります。 これをやり易くしようと最初から深掘りした溝に植え付けをすると、雨の多い年は軟腐病にかかり根腐れを起こして枯れてしまうことがあります。 

 上図左のように、周囲地表より浅ければ浸透した雨水はネギ根元に滞留しませんが、右図のように深いと根元には長時間浸透した雨水が滞留し軟腐病発生の原因となります。

 ネギは乾燥には強いが過湿には弱い植物です。 最初から過度に深植えしないで、まめに土寄せと施肥をすることをお勧めします。

 庭の少しだけ空いたところでも育てられますし、プランターでも可能です。 収穫したネギの根元5cmほどを切り取って植えておけば、再び収穫することも出来ます。 是非栽培に挑戦してみてください。

 

からだの体験記 その5

偏食(すききらい)は解決できる!

 

 子供の偏食に悩んでいるお母さんは多いと思います。 「偏食は解決できる!」と言ったら朗報ですよね。 戦後の団塊世代で田舎の5反百姓の次男で生まれた私は、時代柄栄養のある食べ物は不足していた上に嫌いな食べ物が多く、栄養失調の虚弱児でした。 この私の経験から、偏食対策を論じてみたいと思います。

 子供は大人に比べて体も肝臓も小さく解毒能力が小さいため、毒物リスクの大きい「苦いもの」や「渋いもの」は危険物として本能的に食べないものです。 リスクの低い「甘いもの」「旨みのあるもの」を好みます。 甘いいちごやサクランボが嫌いな子供はめったにいません。 従って子供に好まれるには甘みや旨みの強いものとすることが必要です。

  

 

 特に野菜が苦手な子供が多い印象ですが、野菜嫌いにならないための方策は最初が肝心です。 同じ野菜でも品種栽培地、生産者、収穫時期などによって味は大きく異なります。 また古くなると微妙に苦みや渋みが出たりするものも多くあります。 子供はこのような味に敏感で、まずいと感じるのです。    

 最初に口に入れさせるものは、少々値が張っても「新鮮」でブランド野菜のように「甘み・旨みが強い品種」で「最もおいしい旬」に見栄え良く調理して「少量」食べさせるのです。 例えば美味しいピーマンを何回か美味しいと思って食べれば脳は「ピーマン=美味しい」と記憶します。 そうなると特別美味しいピーマンではなくごく普通のピーマンを食べても美味しいと感じるようになるのです。 トマトは美味しいものとそうでないものの差が大きい食べ物です。 最初に特に美味しいトマトを与えれば子供は大概トマトを好きになります。

 

  

 

 既に嫌いな野菜がある子供には、特に美味しいその野菜を種類が分からないような料理として食べさせ、食べたのちに美味しかったかどうか感想を聞くのです。 多くの新鮮な野菜はきちんと調理すれば美味しいと感じるはずです。 何度か美味しさを味わわせたのちこの美味しい野菜の正体を明かすのです。 こうすれば子供は「この野菜はこんなにおいしかったんだ」となって、嫌いが好きに変わるのです。

 私は牡蠣が苦手です。 原因は学生時代の寮生活で、食堂の料理で定期的に牡蠣フライが提供されました。 このフライに使う牡蠣の管理がずさんなので鮮度が落ちるのです。 牡蠣は少し鮮度が落ちただけで独特のにおいを発します。 私はこのにおいで牡蠣フライが嫌いになり、結果牡蠣が嫌いになったのです。 多分今からでも牡蠣の産地に赴き、新鮮でおいしい牡蠣を食する努力をすれば好きになれると思いますが、今のところその努力をしていないので、未だに牡蠣は苦手です。 しかし次に記すように、お酒に関しては努力したので嗜好を変えることに成功しました。 

 学生時代、貧乏学生の私はいろいろなアルバイトを経験しました。 夏休みは特に報酬が良い土木や建築系の力仕事に行ったのです。 5時に仕事が終わるとよく酒類がふるまわれました。 主としてビール日本酒です。 この時私はビールが好きになり、日本酒が嫌いになりました。 ビールは品質が一定で味のばらつきが大きくありません。 これに対して当時ふるまわれたお酒(日本酒)は最安値クラスの低ランク品です。 味もにおいも最低です。 結果、私は50代までほとんど日本酒を嗜みませんでした。

 ところが当ブログ「体の体験記 その2」で「ビールが飲める幸せ」と題して詳しく記述したとおり50代になると前立腺肥大症となり、頻尿と排尿困難になってビール摂取を制限しなければならなくなりました。 その代わりに日本酒を好きになろうと努力し、成功したことは記述したとおりです。

 人の嗜好はこのような脳へのスリ込みにより比較的短期間で変えることが出来ます。 また、まずいものを食べて嫌いになる食品が増えるリスクを、少しの注意で減じることも出来るのです。 子供の好き嫌いが多くて悩んでいる方々は、是非実践してみてください。