家庭菜園奮闘記 その63

                                                     ききょうの花盛りです

 

 今はききょうの花盛りです。 家には数鉢の鉢植えの他、地植えもしています。 ききょうは宿根草なので、プレゼントでもらった花鉢を株分けして植え付けていたら、だんだん増えてきました。 もともとは日本の野山に沢山自生していて秋の季語にもなっていたそうですが、今は山野を歩いてもききょうは見かけませんよね。 なんか自生種絶滅危惧種だそうですよ。 だけどもらった栽培種株分けすればどんどんと増えます。

 

                                 

                                               普通に咲いたききょうの鉢植え               

 

 普通桔梗は株分けで増やすのですが、地植えしているききょうのまわりには落ちたからが出てきます。 しかしこれを育てて花を咲かせるには数年かかりますが、株分けならすぐに花を咲かせるため、種から育てたことはありません。

 

 一つの花は2~3日しか持ちませんが、次から次へと咲くので結構長く花も楽しめます。 一通り咲き終わったら半分ほどに切り戻しておけばそこから芽を出してまた花を咲かせます。 花が咲く前に切り戻しておけば花芽が数倍多くなり、沢山の花を咲かせます。 次の写真は花が咲く前に切り戻した鉢の状況です。 もう花は終わりに近いですが、花数の多さは確認いただけると思います。

                                       

                                                     切り戻して咲かせた鉢植え          

 

 ところでききょうの花は紫ですが、今年は白い花も咲いています。

                               

                                                   白い花の桔梗                

 

 もらったききょうの花は紫でしたが、株分けして育てているうちになぜか白い花も出てきました。 白い花の根も混じっていた? 

 チューリップは球根にウイルスが付くと花の色が変わることを以前ブログに書きましたが、ききょうもウイルスで花の色が変化するのでしょうか。 自然は時々予想外のことが起こりますよね。 それがまた、生き物を育てる醍醐味なのかもしれませんね。

家庭菜園奮闘記 その62

                  家庭菜園での効率的な栽培方法・・・・・ラッキョウ栽培

 

 今頃がラッキョウの収穫時期です。 今年はラッキョウが品質良く収穫できました。 家庭菜園ではあまり栽培しないかと思いますが、血液サラサラ成分もあり健康に役立つ作りやすい作物ですので今回は家庭菜園での栽培方法第2弾として私の栽培方法を紹介します。 

                   

 

 ラッキョウは今が収穫の旬ですが、収穫した球根を9月頃に15cm間隔程度で畝に植え付けます。 球根ですから殆ど芽を出します。 あまり多くの肥料を必要としない作物ですが私は鶏糞、油粕、苦土石灰を散布してから耕起し、を作っています。 追肥はほとんどしません。 肥大してくると球根が顔を出すことが有るので、その時は土寄せをしていますが、顔を出さなければ土寄せもしていません。 1つの球根から1年で10球くらいに増えます。 1年目で収穫する人もいますが、私は2年育成しています。 1年目は粒が大きくて収量が少ないのですが、2年すると粒が小さくなり球根数は圧倒的に多くなるので収量は多くなります。 1年育成する人は植え付けに3~4球植え付ければ収量は多くなり、球根も2年物より大きくなります。 私は小粒が好きなので2年育成しているのです。

                                         

                                                    1年目のラッキョウ                

 

 1年目は雑草対策マルチをしたまま育てていますが、2年目になると株が大きくなるのでマルチを切断・撤去します。

                                       

                2年目のラッキョウ             

 

 因みに1粒のラッキョウがどのくらい増えるのか数えてみました。 1年目には8~10粒のものが多く2年目は70~90粒のものが多いことが分かりました。 けっこう繁殖力は強いのですね。 二人の家庭なら畳1枚ほどの土地があれば1年分の甘酢漬けが出来るほどですから、庭の隅に空きがある人にはお勧めします。

 食べるのは殆ど甘酢漬けです。 あまり食べ方のメニューは多くない食材ですがてんぷら焼きラッキョウもおいしいと書いてありました。 今度試してみようと思っています。

令和の日本列島改造論 その17

                                                    日本の人口対策

 

 日本の昨年の出生者数は80万人を割り込み、第一次ベビーブームの出生者数269万人と比べれば1/3以下となっている。 少子化が進行する社会構造となってしまった日本の現状に政府も危機感を持ち様々な少子化対策と銘打った策を打ち出してはいるが、もはや日本の官僚に「抜本的な」対策を打ち出す能力は喪失してしまっているので、岸田政権が「異次元の少子化対策と意気込んでみても出てくる政策は各省庁での従来の対策に色を付けて予算だけは増額した泥縄式で「低次元の少子化対策」となることは目に見えていると思われる。 そもそも人口問題というのは社会構造の変化により起こるものなのであるから、社会の変化に合わせて長期的視野で激しい増減の少ない状況にする施策を継続的に執行していく必要が有るものなので、時の政権の掛け声や一時的な予算増額で対処できるものではないのです。

 それでは日本での長期的視点に立った効果的な少子化対策とはどのような形で進めればよいかを先進各国の現状も見ながら考察してみたいと思う。

 

 少子高齢化というのは日本だけの問題ではなく先進国共通の課題となっている。 社会が成熟し女性の社会進出も進んでいくと「子供を産み育てて家族を作っていく」ということに対するコストと労力を負担することが困難になる階層の増加と家族を作らなくても生きていけるという社会全体の意識の変革が進み、晩婚、非婚、少子となっていく。 日本に限らず世界のどの国も平和で市場経済が発達した中で為政者が何の対策もせず市場原理に任せれば少子化は避けられない事態なのである。 それでは先進国の人口減少は避けられないのだろうか。 人口減少対策を実行している他国の状況も参考にしながら、日本の対策を考えてみたいと思う。

 

 先進7か国(G7)の中で人口が増加しているのは2か国のみ、それはアメリカとカナダです。 しかしアメリカやカナダの出生率が特段に高いわけではなく2021年度の合計特殊出生率アメリカが1.66、カナダが1.43ですから日本よりかなり高いとしても減少傾向なのは同じです。 アメリカとカナダの人口増移民が多いからなのです。 従って人口減少対策の一つは移民受け入れです。 合計特殊出生率2.07として算出した静止人口出生数に足りない人数を移民として受け入れれば、理論的には人口減少は無くなります。 しかし、日本は基本的に移民を認めていません。 日本に来て働いている外国人は移民ではなく期限を定めて技能を習得するために実習しているという位置付けなのです。 しかもその数は少なく今のままでは人口減少を補うことにはなっていません。 なぜ日本は移民を受け入れないのか、それは大量の移民受け入れによる日本の文化や慣習の衰退治安の悪化を恐れる自民党右派の頑固な反対があるからなのです。 

 しかし、移民の受け入れなしに日本の人口を静止状態にすることはもはや不可能です。 それでは、どうすれば移民を受け入れても日本の文化や慣習を守り治安の悪化を抑えることが出来るのでしょうか。 そもそも文化の衰退や治安の悪化は移住した外国人を日本人と同化する施策がなされていないから起こるのです。 移民を単なる安い労働力と考えて低賃金で過酷な労働を長時間強制するような考え方は根本的に改めねばなりません。 日本に移民したら日本人になりきってもらって同様な権利義務・報酬などにしなければなりません。 

 そのための一つの方法は現地に学校を作ることです。 日本で働きたい、日本へ留学したい、日本と我が国の貿易や交流に貢献したいなどと要望する人が多い国にODAなどの予算を使って現地に学校を作り、日本語日本の慣習マナーなどを必修科目とした上で専門教育を施し、一定以上のレベルに達した人には就労ビザを発行するのです。   もちろんこの学校の学費についても日本からの援助で無償化するのです。 一定期間問題を起こさずに就労できた人には希望すれば国籍を取得できたり家族を呼び寄せたり出来るように配慮するのです。 また日本人と結婚して家庭を持てるような施策も推進するのです。 この人たちは母国語と日本語の両方が堪能となるため、この様な人たちが多くなればその国と日本の経済や文化の交流が活発となり双方の国力向上に資することでしょう。

 

 同じくG7の中で出生率を高める施策で成功している国はフランスです。 フランスでは1994年に合計特殊出生率のボトム1.73を記録していますがその後回復し近年は1.8~2.03の範囲に入っています。 増加とはなっていませんが静止人口に近く急激な人口減少は回避されています。 それではどうしてフランスの出生率は向上したのでしょうか。

 フランスの少子化対策は子供が多い家庭ほど税や助成金で優遇され、教育費はほぼ無償で一人親でも子育てで困窮しないようにしていることです。 このため結婚して子供を育てるという伝統的な家庭観は希薄となり、生まれる子供の半数以上は婚外子です。  このような家族観はまさしく自民党右派の最も嫌うところで、日本でフランスと同様の少子化対策は国会通過がかなり難しそうです。 しかし高度経済社会となった先進国では婚外子が普通に生まれて、差別なく経済的にも困窮しない社会としなければ、出生率を向上させることは不可能なのです。

 日本で本当に「出生率の向上」に取り組むとすれば企業を巻き込むことが最も有効です。 企業を巻き込んで週35時間以上働く人の年収を全て350万円以上とすれば出生率は劇的に改善します。 しかし多くの企業では無理でしょうから次善の策として税制を変えて企業の制度を誘導するのです。 具体的に言えば制度を充実させると企業にメリットが生まれるように制度設計することです。  企業に子供が多くなるごとに増える育児手当」の支給を奨励し、この手当は給与ではなく経費扱いとしたうえでこの一部を税額控除できる制度を設けるのです。 また育児休業中に給付金に上乗せして手当を支給したり、育児休暇中に給与を支給した場合もその一部を税額控除出来るようにすることで企業側のメリットを作り出します。 このような制度があれば企業は優秀な人材獲得に有利になる上に節税メリットも大きいので利益の出ている優良企業の多くは採用することでしょう。 赤字がでている企業にこの制度はメリットがありませんが、制度を採用できる企業とできない企業では人材採用力に更に差が付き、企業の新陳代謝にも貢献するはずです。

 そして最後に、これはさらに長期的視野に立って政策を継続する必要が有りますが、日本の教育体制を変え、産業構造を変えるような人材を多く輩出する環境を作っていかねばなりません。 今の日本の教育環境はどの教科も平均的に出来る者が評価され、異端な能力は評価されずにスポイルされます。 異端な能力者の能力を極限まで引き出し、日本産業の付加価値を大幅に向上させ若年層の年収飛躍的に向上させることが必要です。

 先進国の効果的な少子化対策の一つは非婚・晩婚対策です。 非婚・晩婚対策には若年層の年収向上が最も効果があります。 そして若年層の収入向上には付加価値の高い事業を持つ企業を国内で育成することが最も必要なことです。 優秀な技術を持つ日本企業は多いが、GAFAMのような付加価値が高い事業を展開する巨大企業は見当たりません。 挑戦する日本人が増加するように日本の教育体制から変えていかなければならないと思います。

 

開発人生記 その16

                                                       土嚢袋スタンドの開発

 

 今までの開発人生記では比較的大きい建設機械的なものの開発を紹介いたしましたが、今回は機械に詳しくなくても開発できるアイデア商品的なものの開発経緯と商品を披露いたします。

 

 この開発は1990年代の日本中で下水道工事が行われていた頃のものです。 「開発人生記 その2」「同 その3」で紹介したように私はその頃下水道関連の会社を経営していました。 まだ起業して間がなかったので営業も施工も自ら行っていた頃です。 顧客企業の下水道現場へも頻繁に顔を出していました。

 下水道管を敷設する場合は敷設する路線を掘削機で溝状に掘り、その底部に下水管を連続して並べていくのです。 この管の周囲は砂で埋め戻し、下水がスムーズに流れるように一定の勾配を付けるのです。 この勾配は1‰(パーミル:1mで1ミリ下がり)とか2‰とか非常にわずかなもので、正確にまっすぐ入れる必要があります。 この勾配を正確に決めるため土嚢袋に砂を入れて溝の下に置き、先ずその土嚢袋の髙さを正確に決めてその上に下水管(塩ビ管)を置くという方法で敷設するのが一般的でした。

 また、管の下のみならず浮き上がり防止のために管の上に置いたり、横ずれ防止のため横にも置いたりするので1日に何十個と土嚢袋に砂を詰める必要が有ったのです。 こういう軽作業は女性が担当する場合が多かったのですが、ある日私が現場訪問をしたとき土嚢袋製作中のおばさんが「毎日片手で土嚢袋を持ち片手でスコップをもって砂を詰めているので、スコップを持っている手を使いすぎて夜痛くて眠れない」と愚痴を言ったのです。 そこで私は「おばちゃん 袋を片手で持たなくても良いものを作ってあげる」と言って作ったのが下の写真の器具です。

    

 

 これを使えば土嚢袋の口が開いた状態で立っていますからスコップ両手で持って袋に砂を入れることができます。

 

        

             袋に砂を入れている状態


 上部の丸い輪は鉄筋加工をする業者に作ってもらい、下の脚は自社の鉄鋼加工部門で作り溶接組み立てして塗装しました。 先のおばちゃんは大喜びしたことはもちろん、大概の業者は欲しがったためとりあえず作った50個はすぐに完売しました。 

 売価は五千円としたため、売り上げ金額自体は大した額ではありませんでしたが、おばちゃんの悩みを解消し多くの人に喜んでいただけたことが大きな収穫でした。 当時はインターネット販売が無かったので訪問や口コミのみでの販売でしたが、現在のようなNET販売があればもっと沢山売れたことでしょう。

家庭菜園奮闘記 その61

 今回は、個別の野菜栽培で私が工夫していることを紹介したいと思います。 農家ではなく自家使用の家庭菜園ならではの工夫をご覧ください。 第1弾としてホウレンソウの栽培を紹介いたします。

 

  家庭菜園での効率的な栽培方法・・・・・・ホウレンソウ

 

 家庭菜園では販売目的の生産農業と異なり、自家消費が殆どであるためそれぞれの野菜の旬に大量に収穫すると食べきれなくなり、親戚や近所に配ることになる。 最初は喜んでいたご近所もあまりもらいすぎると却って迷惑がられたり、またご近所に配り歩くのも手間がかかって大変なのでつい畑で腐らせることになったりしがちで有ると思う。 こうならないためには自家消費できる分だけ順次収穫できるような栽培計画が家庭菜園では効率的な栽培方法となる。 今回は私が行っているホウレンソウの栽培手順等を紹介したい。 これは葉物野菜である春菊や小松菜などにも適用できると思います。

 

 ホウレンソウは種を蒔いて育てるのですが春蒔き秋蒔きが有るので、適正な時期に種蒔きをすればほぼ1年中収穫することが出来ます。 下図のように種の袋には播種時期と収穫時期が表示されているので、その表示に従って種まきを行います。

 

      

 

 次の写真のように私は種まきに発泡スチロールの空き箱を使っています。 電化製品などを買ったときの梱包材をとっておいたものです。 これの底に10mm程度の水抜き穴をいくつか開けるのです。 用土は市販の種まき培土が良いのですが、結構高価なので下部は使い古しのプランター用土を再生したものを用い、表層1cm程度だけ購入した種まき用土を使っています。

 用土の再生とは、プランターで花などを育てて枯れた後の用土に石灰油粕、発酵鶏糞、もみ殻などを適当に混合して、空いたプランターなどに入れてしばらく養生します。 

 私は結構種まきや鉢の植え替えを頻繁に行うので、大きめのプランターを8個使って混合土の養生をしており、古い再生土から順に使っていますので1か月以上養生していることが普通となっています。

 これに種を2cm程度の間隔で蒔くと1週間程度で芽を出してきます。 

 

           

 

 更に1週間ほどすると苗はかなり大きくなります。

             

 このくらい大きくなれば畑に定植します。 定植する畑は予め施肥、耕起し畝を作ってマルチシートをかけておきます。 ここに苗を定植するのです。 私は10cm間隔程度で定植しています。

           


 定植した後、根元はもみ殻で覆っています。 これは土の乾燥防止と大雨の時の水撥ねで葉に土が付着するのを防ぐためです。 土の中には雑菌が沢山いるので植え替えたばかりの免疫力がない小さな苗に土が付くと腐ることがあるからです。

          


 1回に定植するのは夫婦二人なら10本前後で十分です。 結構大きくなるので、おひたしや炒め物に使うには1回に2~3本収穫すれば十分だからです。 

 順調に成長すると2~3週間で下の写真のようになります。 大きなものから順に収穫すれば残った苗は陽当りがよくなり葉を広げやすくもなるのですぐに大きくなります。

 

        

 

 この一連の作業を繰り返せば、ほぼ1年中収穫を楽しむことが出来るのです。 時期によって成長のスピードが違うので一概には言えませんが概ね月一程度の間隔で種まきを行えばいいように思います。 ぜひ試してみてください。    

 

企業経営のお話 その5

 今回は今話題の賃上げについて中小企業経営三十数年の経験を基に「賃上げと企業業績」と題して私見を述べてみたいと思います。

 

               賃上げと企業業績

 

 日本国政治家の劣化により日本の経済的活力は停滞し、失われた10年といわれていた経済停滞期間はとうとう失われた30年といわれるようになってしまった。 この間日本企業によるイノベーションは見る影もないほど減少し、企業投資はもちろん優秀な頭脳まで海外に流れ、付加価値の高い製品を作り出せなくなった結果労働者の賃金は30年間横ばいを続けてしまっている。 

 今やG7の中では最低となり韓国にさえ抜かれる始末である。 最も責任のあるのは活力ある国家を創出する未来戦略を提案し国家の方向を示すべき政治家であるが、無能な政治家に期待できない今、企業経営者各々が日本にイノベーションを起こす仕組みづくりに挑戦すべきと考える。 それでは経営者はどのような行動を期待されているか、今回は特に賃上げの「観点」から述べてみたいと思う。

 

 失われた30年の間、世界における個人の平均年収は右肩上がりとなってきたが、日本ではほぼ横ばいで推移している。 しかし企業業績が悪化しているわけではなくバブル崩壊以来のグローバル化で日本企業は国内よりも海外投資を重視した結果、国内には付加価値の高い新鋭工場等の新設が少なくなり、結果給与水準を上げることが出来ず、国内の優秀な人材は海外企業に流れ、海外からの優秀な人材も流入しなくなってしまった。 この結果国内ではイノベーションが起こらず、ゆっくりと衰退する「ゆでがえる国家」化しているのである。

 私の中小企業経営の経験から言えば、従業員の給与を上げても企業業績はそれほど悪化しないどころか適正な賃上げ企業業績を向上させるものである。 もちろん漫然と賃上げするのではなく、がんばったら到達しそうな目標を掲げ達成出来たらかなりな部分を賃上げ原資とするのである。 例えば業務グループ毎に目標設定し、達成度により賃上げ率を変えるなど、がんばるモチベーションを与える仕組みは必須であるが、かなりな額の賃上げは従業員の意欲を高め生産性が大きく向上するのである。 逆に言えばこのように日々の革新により付加価値を高めて従業員の給与を上げ、優秀な人材を確保することが出来ない会社は淘汰されて当然な会社なのである。 現在革新的な技術やサービスで世界を席巻しているGAFAとよばれる巨大企業の給与水準と日本の給与水準を比べれば、GAFAがなぜ急成長できたかが理解できるであろう。

 

 中小企業では定期的な昇給システムがない会社も多いが、きちんとした評価制度と昇給制度があると一般的に同業者より給与水準が高くなる。 給与水準の高い会社には優秀な人材が応募・定着するのである。 昨今の人手不足で「求人を出しても全く応募がない」と嘆いている経営者は多いが、周辺給与水準以下で募集しても応募がないのは当然で、給与水準を上げれば必ず応募はある。 要は自らの労働環境や業務要領を整備し、授業員が自ら知恵を出して付加価値の高い労働ができるように工夫したうえでそれに見合う給与水準を実現することが必要なのである。 

 また経営者は常に勉強を怠らず、優秀な従業員が革新的なサービスなどを提案した場合にそれを採用するか否かの合理的判断ができる能力を獲得し、採用して業績に貢献した場合はそれに応える社内システムの整備も求められている。

 

 私にも経験があるが、給与というのは毎月現金で支払わねばならないが仕事をして入金するのは一般的に3~6か月後になる。 経営者は会社の口座から現金が減少することには非常に憶病なものなので、現金出費が確実に増加する賃上げを抑制したいというバイアスがかかりやすい。 しかし周辺給与水準に比して高い水準の給与を支給することこそ高い能力の人材を引き付け、会社を成長させる原動力となるのであって、給与を惜しんで会社の利益を確保しようという発想は結局のところ会社を衰退させ、破綻させる結果につながっていくのである。

 経営者は常に自社の経営資源を使って業績拡大する方策を探らねばならないが、給与水準の高い優良な会社は経営者のみならず多くの従業員が自らの努力で業績拡大やコストダウンを目指して行動しており、社内にはそれに応える報酬システムや人事制度が整備されているものなのです。

 失われた30年を取り戻すためにも、日本に革新的な商品やサービスのイノベーションが生まれ世界を先導する賃金体系を構築でき、世界の優秀な頭脳が日本に集積する時代を希求しており、経営者諸氏の奮起を期待したいと思います。

家庭菜園奮闘記 その60

                                                 アスパラが最盛期です

 

 今年は早く春が来たのでアスパラも早くから芽を出し、毎日太くて甘いアスパラをどんどん収穫しています。

                                                

              芽を出したアスパラ               

 

 畑でつくる野菜は新鮮でどれもおいしいのですが、買ってきた野菜との味比較で差がある筆頭は枝豆アスパラだと思います。 それほど新鮮なアスパラは甘くておいしいのです。

 アスパラは宿根草で一度植え付ければ10年以上に亘って収穫できます。 種を蒔いてから5年目となりますから根の状況も最も元気な時期です。 一度植え付けたら毎年芽を出すので割と手間いらずで長期に楽しめますから家の庭に空きスペースが有るお宅にはお勧めの作物です。 ホームセンターで種を買って蒔けばすぐに芽を出します。 数本しか必要がない人は、苗を買ってくればその分早く収穫できるようになります。 よく陽の当たる場所が有ったら1~2株でも植えられることをお勧めします。 

 手間いらずといっても毎年太いものを沢山収穫するには施肥は欠かせません。 私は発酵鶏糞や油粕などの有機堆肥を中心に施肥を行っていますが、家庭で出る生ごみを埋めても良い肥料となります。 

 例年は3月下旬から芽を出しますが、今年は3月中旬から芽を出して下旬には収穫できる大きさとなりました。 4月いっぱいは出てくるものはすべて収穫します。 5月からは来年のために成長させるのですが、あまり密に生やすのも良くないので適宜間引き収穫を行います。 この間引き収穫は8月下旬まで楽しむことが出来ます。 

 どんどん収穫すると土中の肥料分もどんどん消費しますから、年に4回くらい施肥を行っています。 

 病気や害虫にも比較的被害を受けません。 コガネムシが来ますが、手でつぶしています。 最も警戒すべき病気は立ち枯病です。 これは枯れた又は枯れそうになった茎につくカビが原因なので気を付けて対策しています。 まず、晩秋に茎がほぼ枯れた際、地上部は完全に撤去して焼却します。 焼却できない人は細断して土に埋めてしまいましょう。 地際にも茎を残さず完全に撤去した方が良いのです。 立ち枯れ病が一度発生するとその畑付近ではかなり長期にアスパラを栽培することが出来なくなるので、細心の注意をしています。

 おかげで毎年立派な芽をたくさん出して半年間舌を楽しませてくれています。