家庭菜園奮闘記   その3

                                               家庭菜園奮闘記   その3

 前回の奮闘記で、私の工夫を説明すると書きましたので、今回は工夫のいくつかを説明したいと思います。

工夫-1 野菜の支柱は丸鋼(鉄の棒)を使う

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               切断した丸鋼

     
 ホームセンターで販売している園芸支柱は薄い鉄パイプに塩ビ樹脂をコーティングしたもので、軽いのですが少し力を入れて押し込んだりたたいたりすると、すぐに曲がったり剥げたりしてしまいます。 長く菜園をしている人は、支柱代もかなり使っていると思います。 また、破損した支柱の始末も面倒ですね。 これを丸鋼に変えると、一度買えば永久に使用出来、最初の購入費を思い切れば、長期使用でかなりコストダウンになります。 その他、丸鋼を使用したときのメリットを説明します。
■土に刺しやすい
    丈夫なので、硬い土に強く押し込んでも、容易に曲がらないし、ハンマーでたたいて   もいい。 長いものは、重量があるので刺すときに重量で勢いをつけて刺すと、深く入る。
■ほぼ、永久に使える
   使わないときは、地べたに寝かせず何かに立てかけておけば、あなたの生きている間  は、使うことができる。(寝かせておくと錆が進行して細くなってくる)
■まげて使うこともできる
 細めの丸鋼なら、霜よけネット用のアーチパイプも好きな形に作れる。 形も自在に   変えられる。

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 このように、利点だらけの丸鋼ですが、あまり使われていません。 なぜか? 何かの本で見たところ、鉄の棒は陽に当たると温度が上がりすぎて、作物を枯らすと書かれていました。 これは、園芸支柱メーカーの陰謀だと思います。 土の上に寝かせた状態で鉄の棒を夏の日差しの中に置くと、さわれない位温度が上がりますが、使用状態の立てた形では、それほど熱くなりません。熱くならない理由(メカニズム)は二つあります。 一つ目は入射角の作用です。 寝かせた丸鋼は最も熱くなる太陽天頂付近ではほぼ直角に太陽光線が当たりますが、立てた丸鋼は鋭角に当たるため、丸鋼が太陽から受けるエネルギーには大差があります。 二つ目は放熱の作用です。 地面近くに寝かせておいた丸鋼周囲の空気は非常に動きにくく、結果あまり冷却してくれません。 対して、立てた丸鋼周囲の空気は動きやすく、特に直立した棒は対流現象が強く起こるため、冷却が進むのです。

ただし、丸鋼は錆びやすいので、保管時には下記の留意が必要です。
 1. 地面に突き刺したままにしないで、抜き取って保管する。
 2. 何かによりかけて、立たせた状態で保管する。
 3. 束ねないで、ばらばらにしておく。
要は、濡れてもすぐに乾く状態で保管することです。

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 丸鋼はホームセンターでは、手に入らないと思います。 どこで買うかといえば、近所の鉄工所を探すのがいいと思います。 私は、太さ9mm、13mm、16mmの3種類、長さは定尺(問屋が供給する元の長さ)が5.5mなので、これの2分割2.75m、3分割1.83m、4分割1.375mのものをよく使っています。 最初は錆びてきますが、使っているうちに表面が黒錆で覆われると、そのあとはあまり錆びないので、塗装はしなくてもいいのですが、手に錆が少しでも付くのが嫌な人は、錆止め塗装を依頼すればいいと思います。

 

丸鋼の強さ実証

 今年は台風の当たり年で、日本列島あちこちで大きな被害を出しました。 富山県は大きな被害はなかったのですが ,そこそこの強風が3回吹き荒れました。 下の写真は胡瓜の支柱ですが、3回目の風の後は葉が全部枯れてしまいました。 しかし、支柱はびくともしていません。 丸鋼支柱は強度があり、根入れもしっかりできるので、風にも強いのです。

 

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             台風後の支柱

 

工夫-2 果物の鳥害防止
 ぶどうの鳥害防止袋
 自宅庭の巨峰は、苗を植えてなりはじめての1~2年はホームセンターで買ってきたぶどう房専用の紙袋で鳥害は防げたのですが、ある年から鳥は袋を破ることを覚え、実ったものから全部食べられてしまうようになりました。 いろいろな袋や水糸を張り巡らせることや、ネットを掛けることなどを試してみましたが効果は薄く、完璧な効果発揮は、紙袋と網袋の二重掛けでした。

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 網袋のみだと、鳥に破られることはありませんが外からつついて果汁をすすってしまいます。 二重袋にしてから4年たちますが、被害はゼロです。
 二重袋の欠点は、ぶどうの収穫時期を見極めにくいことです。 このため、今年は透明な窓付き紙袋をインターネットで探してきました。

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 網袋はインターネットで購入しました。 材質は網部分がポリエチレン(PE)でひも部分がポリプロピレン(PP)でした。 PEは紫外線に強いのですが、PPは弱く、太陽光の当たるところでは1年でボロボロになるので、私は麻ひもに交換しました。 PPのひもが丈夫なうちなら、一方を結んで引けばたやすく交換できますが、PPが破損してからでは通すのは大変です。
 

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 麻ひもは湿っていると腐朽菌でぼろぼろにされますが、乾いた状態では長期の耐久性があります。 使い終わったら、乾燥させて保管することで、相当長い間使用できます。

いちじくの鳥害防止袋
 いちじくの実は小さいので、専用の袋は紙ではなく多孔質ポリプロピレンフィルム製のものがあります。 これは透明なので、収穫時期が見極め易く便利です。

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 透明袋だけでも、掛けないよりははるかに被害は少ないのですが、完璧ではなく時々破って食べていくタフな鳥もいます。 透明袋の上に網袋をかければ、被害は完璧になくなります。

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 今回はここまでです。 次回以降にもいろいろな工夫を紹介していきたいと思います。