家庭菜園奮闘記 その50

                                                         野菜の保存実験(2)

 

 先般「家庭菜園奮闘記 その49」で野菜の真空パックによる保存実験を始めたとお知らせしました。 その後の結果を紹介したいと思います。

 先ずは、きゅうり真空パックはどうなったか、1週間目くらいに見てみました。 真空パックして常温環境に放置したものは真空にしていた袋が膨らんで、もう中のきゅうりは腐ってきているようです。 そのままもう1週間放置したら袋はパンパンに膨れて破裂しそうです。 中のきゅうりはどろどろに溶けだしているように見えます。 

 

                                               


          

  かたや、真空パックをしないで放置したきゅうりは少ししなびてはいますが、まだ充分に食べられそうな感じです。

 真空パックをして、冷蔵庫へ入れたきゅうりは1週間目も2週間目も殆ど変化は見られません。 

 

 たまねぎはどうなったでしょうか。 

   

            


 これも真空パックの袋が膨れて、破裂しそうなくらい膨らんできました。 中にはもう腐ってしまって汁がでているものもあります。

            

 それでは、ジャガイモはどうなったかと思って取り出してみると、真空パックしたものは中で完全に腐ってどろどろになっています。 真空パックしないで網袋に入れてあるものは全く腐っておらず変化はない。 もう真空パックで春の芽吹き抑制どころではない。 その前に全部腐ってしまうのである。

 

 これは、どういうことかとNET検索で調べてみた。 腐る腐敗または発酵)というのは微生物により有機物が変質することをいうが、この微生物は私たちが通常生活している空間は酸素が有るため、酸素中で活動する好気性微生物により引き起こされる。

 従って、酸素が無くなれば腐敗は起こらないかと思ったら、どっこい酸素がない世界ではその世界で活動する細菌(嫌気性微生物)がいるのだという。 その微生物は酸素のない環境で活動し、嫌気性発酵を行うとメタンガスを主成分とするガスを発生するのだという。 この嫌気性微生物は気温が高くなると活発に活動し、気温が20℃を下回るとあまり活動しなくなるらしい。 従って、毎日30℃を超えるこの頃は、最適活動温度となっているようだ。

 これからは、私の推論も入るのだがきゅうり・たまねぎ・ジャガイモの真空パック内で何が起こったかというと、真空パックをしたことにより酸素が無くなり生きている野菜が呼吸できなくなり死亡、すると酸素が無いので嫌気性細菌が急激に繁殖、腐敗しガス発生に至ったものと思われる。 真空パックをしていない野菜は呼吸が出来ているので周りの好気性細菌を防ぐ免疫力があり腐敗を防いでいるのではないかと考えている。

 これらの結果から、といあえず分かったことは下記の通りである。

  • 生野菜を真空パックしても長持ちさせることは出来ない。
  • 真空パックをした食品は、冷蔵や冷凍が必須である。
  • 真空パックは野菜の芽出し抑制するどころか、すぐに腐ってしまう。

野菜の保存期間延長と芽出し抑制を目指した実験であったが、今のところ大失敗で真空パックでは目標は達成できそうもない。 

 しかし、芽が出るのは来年の1~2月からなので、冬季は気温が低く嫌気性細菌が繁殖しにくいため、再度冬季ジャガイモたまねぎ真空パックしてみようと思っている。