企業経営のお話 その1

 企業経営のお話から入ったので、今回は10年以上前に草むしりをしながら感じたことを書いた、経営に関するお話を公開したいと思います。 

 

              雑草に学ぶ企業経営

 企業は、短期的な売上や利益を大きくすることよりも「永続する」ことが重要であり、永続出来る企業経営をする人が、名経営者と言われます。 企業が永続するためには、どんな施策が必要なのでしょうか。そのキーワードの一つが「変わる」ということです。

 私は、庭の草むしりをよくしますが、雑草はとってもとっても絶えること無く生えてきます。しかし、大きな草をとると、次に生えてくる同じ草でも、草丈は明らかに小さくなってきます。何回もとると、その草は本当に小さいうちに実を付けます。
 雑草は、人間という外敵の襲来に対して、身を小さくして見つかりにくくし、早く種を落とすという変化で、危機を乗り越え、遺伝子を永続させようとしているのでしょう。人間の手で蒔かれた野菜はこうはいきません。一度生えたものを収穫してしまえば、二度と生えてきません。

 企業は、二十年三十年と同じ収益モデルで成り立っていると、永遠に存続出来るかのように錯覚します。残念ながら、企業は変わらなくても、人間社会は毎日、どんどん変化していきます。同じ収益モデルが、三十年も機能するのは、余程運が良くないと望めません。「企業の寿命は三十年」と言われる所以でしょう。本当は「企業の寿命」ではなくて「事業形態の寿命」なのでしょう。
 これから考えれば、「事業形態」を時代に合わせて変化させていけば、企業は永続することが可能です。

 もう一つのキーワードは「時期を待つ」ということです。
 企業経営で、これはというアイデアを思いついて実行してみたが、全く商売にならなかったということは、よくあることです。殆どの人は、この段階でこのアイデアを放棄します。
 雑草が絶えない理由のもう一つに、雑草の種は一度に生えずに、時期をずらして少しずつ生えてくるそうです。生えてみて、外敵にやられたり、環境が悪くて育たなくても、環境が変わるまで少しずつ芽を出してみて、様子を見ているのです。五年後十年後にやっと芽を出す種も有るそうで、早々に芽を出した種が皆やられてしまっても、何年後かに環境が変化して、自分に適した状況になっていると、あっという間に成長して、又、多くの種子を落とすのです。

 アイデアも、時代に先行しすぎて受け入れられないことは多くあります。又、ビジネスパートナー不足や、企業規模の問題が有るかも知れません。いろいろなアイデア(新事業)を周囲の環境が整うまで待ちながら、企業運営の負担に成らない程度に試行して、時代が変わって成長し出したら、更に投資をして成長させるのが、企業永続の一つの手法で有ろうと思います。