地球環境の提案(その1)

 今回から何回か、十数年前に書いた地球環境に関する私の思いや提案を公開したいと思います。 十数年前に書いた後には福島第一原発事故が発生したり、固定価格買取制度の開始により太陽光発電所の普及が一気に進んだりと、日本のエネルギー情勢も大きく変化しました。 しかし、地球の温暖化はますます進行しているようで、近年は日本にやってくる台風が増加し、大型化していることでも実感できるようになっています。 私の提案が、多くの方の環境意識向上の一助になることを願っています。

 

              地球環境の提案(その1)

 人類が地球に登場して約100万年、私達はまず火をおこすことを覚え、そしてそれを活用してきました。
 二百年前に産業革命が起こって以来、自然が提供していた草木を原料としていた火を地下から採取した石炭や石油に頼るようになってきました。この地下資源を掘り出すこと、実は人類にとってパンドラの箱をあけたことに他なりません。

 地球は46億年程前に誕生したと言われ、それから数億年してバクテリア等の生物が発生し、そして植物が現れました。
 バクテリアや植物は太陽の力を借りてCO2(炭酸ガス)を吸収してC(炭素)を固定し、O2(酸素)を作り出していきました。
 固定されたCは地下に石油や石炭、メタンハイドレードやガスとして蓄積されていきました。数億年間植物がこの光合成を繰り返した結果、地球は我々高等生物が住めるような大気の状態になってきたのです。
 地下資源と称して我々が消費している石油や石炭、これらを燃焼させることはまさに地球が植物のおかげで何億年もかけて作り上げた大気組成を元に戻そうとしていることに他なりません。

 私達は大気の組成がわずか1%でも変化したら生きていくことは困難です。こんな事をもう数百年続けていれば、我々は自ら種の保存ができない状況を作り出してしまうでしょう。

 石油や石炭は植物が蓄積してくれた過去の太陽エネルギーです。 これを使用するのは安易で低コストであるかもしれませんが、このまま使い続ければ自らを滅ぼすのですから、安全な代替を探す必要があります。 それでは私達のエネルギーはどうやって確保されるべきでしょうか。

 一つは現在の太陽エネルギーです。地球上には平米当り1kwという大きな太陽エネルギーが降り注いでいます。 理論的に言うとこのエネルギーだけで十分に人類は必要エネルギーをまかなう事ができます。

 太陽電池、風力、波力、温度差等の発電方式を用い、この電気で水を電気分解し得られた水素をエネルギー源として使用する。 例えば燃料に、内燃機関に、燃料電池にと今までの石油エネルギーの多くを代替できます。

 又、草木を育ててそれを集め燃料とする、またはメタン発酵やアルコール発酵させて得られた炭化水素類を燃料や発電源として使用する。 これらは全て、現在降り注いでいる太陽エネルギーを有効利用して再生していく技術です。現在の太陽エネルギーはいくら使っても大気の組成を変えることにはなりません。

 もう一つは核融合のエネルギーです。 いわゆる水素爆弾のエネルギーで水素原子を2つ、高温高圧の一定条件を与えると1つのヘリウム原子に変わります。 この時少し質量が減少しそれが大きなエネルギーに変わります。 質量がエネルギーになるのですから過去の太陽エネルギーを消費することがありません。 この技術も大気組成を変えない安心エネルギーです。

 現在人類の未来にとって明るいと思われるエネルギー技術は前記2つです。 私の考えるところ、早晩に完成実用の域に達するのは水素エネルギーであると思います。 太陽エネルギーを地域により利用しやすい形でまず電気に変換する。 日照の強くて長いところは太陽電池、風が良く吹くところは風力発電といったふうに地域特性を利用した発電方法で電気をつくり利用し、利用しきれない分は水を電気分解して水素を手に入れる。
 この水素を燃料電池内燃機関で動力にしたり、または再び電気に換えたりして利用する、あるいは水素自体を燃料として利用する。そして、余剰分は液体水素として保存し、必要時に使用する。

 このように使うエネルギーは汚染も公害も温暖化も発生させません。 人類の明日のためにこのような技術開発を地球ぐるみで行って行かねばならないと私は考えています。